研究課題
本年度は、研究を円滑に進めるための設備の導入と解析手法の開発および実際の物質に対する開発した手法の適用の3点を行った。設備の導入としては、GAによる構造解析を推し進めるための並列計算機の購入と、実験室X線回折装置の改良をおこなった。解析手法の開発に関しては、GAによる格子定数決定法の開発と並列計算機を用いた構造決定手法の開発をおこなった。物質への適用については、金属内包フラーレンや分子導体の構造決定を行った。並列計算機に関しては8CPUのPCクラスタを納入した。この利用により、GAによる構造決定が約8倍高速化された。さらに昨年から進めてきた、格子定数決定のためのGAのアルゴリズム開発もこの機器を用いることにより高速化された。実験室X線回折装置に関しては、機器の安全性の向上のための防X線カバーの納入と、回折系をオンラインで動作させるためのコンピュータの納入を行った。これらの納入により安全且つ迅速に回折実験が行えるようになった。特にコンピュータの納入により、数日をかけての自動測定が可能となったため、データの蓄積量は著しく増加した。これに伴い、放射光X線回折実験で使用する試料の選別・予備測定のみならず、実験室でも構造決定のためのデータが測定可能となった。GAによる格子定数決定に関してはプロトタイプのプログラムが完成し、幾つかの物質について格子定数が求められることを確認した。並列計算機をもちいた構造決定に関しては、電荷移動錯体などで20程度の自由度の決定が可能な状態まで開発が進んでいる。20自由度以上の構造決定は世界でも最高レベルである。実際の物質への適用に関しては、発表リストに示した原緒論文に記載されている。また他にも投稿中の論文が数報存在する。
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すべて 雑誌論文 (6件)
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