研究概要 |
窒化物半導体はワイドバンドギャップで、可視光及び紫外光に対して透明であるため、紫外線の発光や受光デバイス用材料として盛んに研究がなされているため,フォトニック構造との組み合わせにより紫外光の透過率・反射率の制御が非常に重要となっている。平成16年度は,微細化構造作製技術に焦点をしぼって以下の3点を中心に研究を行った。 (1)Siのピラミッド構造の作製:Si(100)基板上にマスクとしてSiO2を堆積させ、5μm/5μmのドットパターンを作製した。Cl2ガスを用いてRIEを行い、Siを表面から2.4・m程度の深さまでエッチングした。その後、フッ酸・硝酸・酢酸の混合酸を用いてピラミッド構造にウェットエッチングした。また、バッファードフッ酸(BHF)によるSiO2マスクのエッチング時間を長くすることで生じるアンダーカットを利用して、マスクをピラミッドの形にエッチングした。その後RIEを行い、Siのピラミッドを作製した。 (2)AlNの三角ストライプ構造の作製:ファイア(0001)上にMOVPE法により成長させた厚さ1・mのAlN上にSiO2を堆積させ、<11-00>方向に2・m/2・mのストライプパターンを作製した。Siの場合と同様にウェットエッチングのアンダーカットにより、マスクを三角ストライプにエッチングした(図2)。その後、RIEによりAlNの三角ストライプ構造を作製し、これをMOVPE法によるAlGaN成長の下地として利用した。 (3)SiO2 Nanotipsの作製:実験に用いたSiO2は、レンズ用の溶融石英板である。CF4とArプラズマによりRIEを行い、SiO2表面上にNanotipsを自然形成した。試料の下においたサファイアトレー(Al2O3)と反応ガスのCF4によりAlF系の化合物が生成され、これがSiO2表面に付着して微小マスクとして作用することを明らかにした。AIF系の化合物はエッチング後も付着したまま残り透過率を低下させるが、水で希釈したBHFでエッチングが可能でありSiO_2がNanotipsが形成できた。
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