研究課題/領域番号 |
15360011
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 猛 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80153617)
|
研究分担者 |
牧 哲朗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80273605)
作田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70221273)
|
キーワード | レーザーアブレーション / PLD / 有機EL / Alq3 / 医用電子 / 安全安心 |
研究概要 |
現有のAr-FエキシマレーザーPLD装置を用いて発散磁界印加下における有機系ターゲット・アブレーション粒子のダイナミックスを詳細測定し、オーロラPLDに特徴的な高度イオン化現象の機構解明に努めた(小林、作田、牧)。本研究では、有機系材料として、ELでお馴染みのAlq3発光物質を導入したことが特徴である。超高速フレーミング・ストリークカメラ(現有設備)、波長分割超高速ストリークカメラ(現有設備)等によりAlq3有機系ターゲット・アブレーションの基礎過程を詳細測定した。磁界印加効果(オーロラPLD効果)のメカニズムとして考えられるのは(1)磁界ミラー効果、(2)粒子ラーマー運動、(3)アブレーション粒子のリュードベルグ準安定状態(準安定状態にあるところへ磁界によるフィールドエンハンスド・アイオニゼーション機構が作用)、などの候補の内でも(1)磁界ミラー効果が最も現実味のあることが分かってきた。今回の実験的研究において威力を発揮したのはSQUIDによるダイナミクス測定であった。 オーロラ効果による高度イオン化の進行したPLDによりAlq3有機機能薄膜(有機EL)の成長を並行しておこない、特性評価をおこなった(小林、牧)。比較のためにZnO系の酸化物半導体薄膜のオーロラPLD成長をおこなった。意外にも、Alq3物質分子がレーザーフォトン照射により比較的容易に分解・解離していることが判明した。Alq3の性質から解離はEL発光特性に悪影響となり、本年度の研究結果の範囲では十分に目的に叶った成果には到達できなかった。 来年度は残された課題の解決と、良質なAlq3EL薄膜の作成を実現することとする。
|