研究課題/領域番号 |
15360022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
浅野 種正 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50126306)
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研究分担者 |
馬場 昭好 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (80304872)
西坂 美香 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (50336096)
渡辺 直也 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 助手 (10380734)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | ナノインプリント / シリコン / 薄膜トランジスタ / 疑似単結晶 / エキシマレーザー / レーザーアニール / 金属誘起固相結晶化 / SO1 |
研究概要 |
石英やガラス等の非結晶質絶縁物基板上の所望の位置に、結晶方位を制御してシリコン薄膜を結晶化する技術を開発することを目的に実施した。 1.シリコンのマイクロマシニング技術を利用して作製した先端が先鋭で金属を被覆した構造体から、非晶質シリコン薄膜表面のナノメートルサイズの領域に極微量の金属を転写することで、転写位置に転写金属の触媒効果により450℃〜600℃程度で結晶を育成できる。金属としてニッケルが有効に作用することがわかった。電子線後方散乱解析により、結晶はニッケル・シリサイドの優先配向面である(111)方位をもつことがわかった。 2.上記方法により結晶核を配列したシリコン薄膜にエキシマレーザーを照射して溶融再結晶化すると、配列した結晶を種結晶として再結晶化が起こり、直径が3ミクロン程度の結晶を所望の位置に成長できることを見出した。エキシマレーザーのエネルギー利用効率を上げるためにシリコン薄膜表面に反射防止膜を形成することで、より大きな結晶を成長できることがわかった。 3.基板表面に微細な凹み(ピット)を形成して非晶質シリコン薄膜を堆積し、それにエキシマレーザーを照射して結晶化すると、ピットの部分から結晶成長が生じ、直径2ミクロン程度の単結晶を形成できることを見出した。 4.基板表面のピットによる位置制御と、金属触媒を使った横方向固相結晶化との併用で、方位制御した直径2ミクロン程度の単結晶粒を成長する方法を開発した。これは、金属誘起横方向固相結晶化が示す結晶の優先配向特性を利用したものである。 5.非晶質シリコン薄膜をパターニングして金属誘起横方向固相結晶化すると、グレインフィルターの効果が現れ、より結晶性の良いシリコン薄膜を形成できることを見出した。 以上より、本研究によって、位置と方位を制御したシリコン薄膜結晶を、非晶質基板上に形成する新しい方法を開発できた。
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