研究概要 |
(1)まず、他の研究計画で入手した10GHz仕様の旧型モードロックファイバーリングレーザの内部の光変調器・変調器ドライバアンプ・その他マイクロ波部品の周波数応答を調査・調整しつつ能動モードロック動作条件を精査し、12.5GHz光パルス発生を実現した。OE変換信号換算で60dB以上のサブハーモニツク成分抑圧比を確認できたことから、高品質・高安定な光パルス発生に成功したといえる。出力光パルスの半値全幅は1.7ps、中心波長は1560nmである。 (2)次に、本研究計画で入手した時間多重化回路を利用し、12.5GHz光パルスを50.0GHz光パルスへ4倍時間多重する多重化実験を実施した。時間多重化回路の偏光調整、光分岐比調整、及び、時間差調整の結果、パルスピーク高さ不均一性±5%以下ときわめて均一性の良い50.0GHz高速光パルス発生を達成した。また、ファイバーリングレーザをパルスパターン発生器で駆動する場合と超高安定シンセサイザーで駆動する場合の出力パルス安定性を比較検討した結果、大きな差異は認められなかった。次年度、パルスパターン発生器による任意パタンのゲート制御信号発生が可能と考えらる。 (3)次に、12.5GHz,1.7ps元パルスを900fs程度まで高品質にパルス圧縮することを当初目標とし、断熱圧縮用の分散減少ファイバーとして2種の特別仕様注文品、及びその他の研究協力サンプル品を準備した。また、分散減少ファイバーのソリトン条件に適合する100mW以上の光パワーを確保するため、分散値を極小に抑えた特殊仕様の高出力光増幅器を準備した。以上の研究環境を整えた上で12.5GHz,1.7ps元パルスのソリトン断熱圧縮を系統的に実験研究した結果、当初目標を上回る400fs高品質光パルス発生に成功した。400fsから900fsまでの光パルスを比較的自由に発生することができる。
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