研究概要 |
(1)研究初年度(H15年度)の成果に基づいて10〜100GHzの光信号を発生し、DISC型全光ゲート実験試作機を駆動し、H15年度成果の一部である理論モデル研究成果(下記の第1論文)の中で世界に先駆けて予想したケート出力歪成分の存在とその特徴を、実際に実験的に追求かつ解析した。(なお本年度冒頭にデンマーク工科大学のAssistant Professor、1名が本学に短期滞在して研究に参加したい旨打診があり、夏季6週間臨機応変に共同実験を行うことに決め、本課題の実験の一部や研究討議にも積極的に加わって頂いた。) (2)本年度研究の成果、ゲート出力歪成分の存在を確認し、かつ、その特徴を理論モデル計算で正確に再現することに成功した(下記の第4論文、3月発表予定)。今後、雑誌論文を執筆・投稿・発表する予定である。本年度前半と後半に米国・ルーセント研究所チームとオランダ・アイントホーフェン工科大学チームのそれぞれが、我々の過去の記録的ゲート実験成果(S.Nakamura, Y.Ueno, K.Tajima, IEEE PTL,2001)をやや上回る実験実証成果を発表したことから、今後の重要課題の1つを指摘した昨年度〜本年度の我々の研究成果が当該関係者の注目を集めると考えられる。 (3)(1)の共同研究により、本年度当初計画していなかった新しい実験研究結果、出力歪成分を抑制する方式の1提案、が得られた(下記第3論文)。以上の他、DISC型ゲートと類似ゲート構造を備えるSMZ型ゲートとPDSMZ型ゲートの出力特性と周波数スケーリング則に関する新しい研究成果を挙げ、それぞれ学会発表した(下記第2、第5、第6論文、発表予定を含む)。 (4)当初予定していた非線形偏光回転現象、及び、500fs圧縮パルスによる利得飽和関連現象に関する基礎研究は、前半が完了した。研究後半に関しては計画を改め、来年度実施することに決めた。(パルス利得飽和関連研究は本年度別途発足させた産学連携研究の本年度成果が大変役立つ見込みであり、平成17年度で完結する本補助金研究の最終成果に役立てる予定。)
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