研究概要 |
本研究は,他の諸機能の総合設計技術と上手く融合できる次世代3次元実装工学の総合信頼性評価・設計技術の確立を目的とする.得られた成果を大別すると以下のようになる. (1)ほぼ全ての接合構造の問題を解決する汎用的な手法を確立することを目的として,はんだ接合部のマルチモード破壊制御を組み入れた信頼性評価を行った.そこで,以下のような検討を行った. ●マイクロ鉛フリーはんだ接合部の金属間化合物層のような拡散層の非線形材料特性も含めた機械的特性をを計測する方法を確立するとともに代表的な金属間化合物CuSn、CuZnおよびAuCuの弾塑性特性など材料特性を計測した。また,各種金属間化合物を有する接合部の疲労試験をこれまでに開発した機械的疲労試験法を用いて行い、はんだ接合部の破壊モードについて検討した。 ●金属間化合物での破壊および界面での破壊モードを分離し、その破壊と金属間化合物の成長との関係について定量的に評価を行った.その結果、金属間化合物層での疲労破壊と繰返し応力集中の関係を数値解析により詳細に検討することにより明らかにすることができた。 (2)次世代3次元実装における設計効率化を図るために効率的な材料特性の算出機能を簡便的に取り入れた能動的なシミュレーション手法を開発を行った. ●次世代3次元実装に用いられる最も多いとされる鉛フリーはんだ材料および樹脂系複合構造である.これらの材料及び構造の材料特性の温度依存性と構造全体の変形特性の関係について検討し,構造全体の変形特性から材料の非線形特性の逆計測方法を確立した. ●信頼性評価に使用される力学特性に対して材料特性の影響度を評価し,材料計測の簡略化を測った.また,必要とされる材料特性および影響を与えない材料特性の分類を行いより効率の高い構成式の生成方法について検討した.
|