研究概要 |
本研究では,最終的に他の諸機能の総合設計技術と上手く融合できる次世代3次元実装工学の総合信頼性評価・設計技術の確立を目的とする.本年度の得られた成果を要約すると以下のようになる. 1.これまでの研究で検討してきた各種破壊モードにおける評価基準の高精度化を行い,信頼性の高い基盤技術を確立した. 2.得られた評価基準と接合構造の構造解析を融合させることによって,マルチ破壊モードを有する接合構造の単一破壊モードを再現する試験方法を開発した.これにより,接合構造における疲労試験を行い,その評価基準を確立した. 3.接合構造の疲労試験より,破壊モード間のコンペティション特性について検討した.まず,複雑な構造を有する接合構造部を模擬した解析を行い,各種破壊モード間の関係について統計的設計支援システムを用いて定量的に相互関係を評価する手法を確立した.また,構造や材料特性などの複雑な挙動と各種破壊モードとの関係についても,同様に統計的設計支援システムを用いることにより定量的に相互関係を評価することができる. 4.樹脂材料の複合構造およびはんだなどの接合材料の非線形特性の簡易計測方法の確立を行った.簡単な試験と構造解析,および応答局面法を組み合わせることにより,効率よく必要な物性を抽出する手法を開発するとともに,実際のはんだ材料を対象として検証を行った.得られた物性は材料の複雑な挙動を上手くシミュレーションすることができ,その妥当性を確認することができた.
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