研究課題/領域番号 |
15360049
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
原 利昭 新潟大学, 工学部, 教授 (50134953)
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研究分担者 |
遠藤 直人 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10251810)
新田 勇 新潟大学, 工学部, 教授 (30159082)
長谷川 和宏 聖霊浜松病院, せぼねセンター, センター長 (90313543)
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キーワード | バイオメカニクス / 術中モニター / 手術支援 / 脊椎不安定症 / 組織変性 / 腰椎 / 椎間板 / 圧力測定 |
研究概要 |
2年目は、モニター精度向上と臨床応用データの構築に専心した。先ず、平均年齢57歳(21〜83歳)の23例(24椎間)の腰椎変性疾患患者から得た力学的不安定性データとMRI(椎間板変性度をGrade 1から5に分類し、Grade 1〜2を「正常〜軽度変性群」、Grade 3〜4を「中度変性群」、Grade 5を「高度変性群」とした。)とX線機能写撮影の両方による所見との比較を行った結果、剛性値、吸収エネルギー、ニュートラルゾーンの平均値は「正常〜軽度変性群」で1.43N/mm、0.26J、1.18mm/N、「異常運動のある中等度変性群」では0.86N/mm、0.20J、1.56mm/Nであり、画像所見では軽度と判定されても、実際には「異常運動を伴う中等度変性」にほぼ含まれ、画像診断で把握し難いケースも精度良く評価可能である事を明示した。次いで、脊柱と周辺組織の変性や損傷による顕著な機能変化を精度良く評価するためのデータ構築を行った。椎骨、椎間板、椎間関節、靱帯成分を残して周囲の軟部組織は取り除いた脊椎損傷モデルのL2/3で、Intact、棘上・棘間靭帯切離、両側椎間関節切除、後縦靭帯切離の場合を順次調べた。その結果、損傷椎間の屈曲位での内圧増加および伸展位での減少傾向は、両側椎間関節切除後は逆転する傾向となり、可動域も増大すること等を明示した。更に適用能力を示すために、Graf手術が適用された場合を調べた結果、内側椎間関節切除術によって椎間の安定は得られるが、全体の動きが4°を超えると下位隣接椎間での動きが減少する事等、本モニターの高い適用能力が確認出来た。
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