研究概要 |
セラミックス-金属系傾斜機能材料(FGM)を耐熱構造材料として実用化し,信頼性を確保するためには,FGMの材料不均質性と傾斜組成を考慮した解析手法の開発と強度評価法の確立が重要である.平成15年度は,二相複合材料の微視組織を考慮した力学モデルの開発,FGMの材料創生,常温から高温まで試験可能は小型試験片用冶具の開発,破壊試験,破壊靭性試験等を行った. (1)FGMの解析手法の開発 マイクロメカニクスの手法を用いて、FGMの不均質・傾斜組成,微視割れ・はく離損傷を考慮して変形挙動を記述できる構成式,有限要素法を開発することにより,FGMの変形・損傷挙動の解析手法を確立した。 (2)FGMの粉末冶金法による作製 部分安定化ジルコニア(PSZ)粉末とステンレス鋼(SUS304)粉末からなる複合材料をホットプレス法により作製する場合の,最適な焼結条件について検討を行い,体積割合を変えた数種類の非傾斜複合材料と材料傾斜の度合いを変えた数種類のFGMを作成した. (3)FGMの強度試験法の開発 粉末冶金法により作製されるFGMの寸法は直径30mm,厚さ10mm程度であり,小型の試験片により,かつ,材料傾斜の特性が現れる試験法を開発する必要がある.FGMの破壊試験法,破壊靭性値の分布を評価できる試験法,疲労試験法,疲労き裂進展試験法を考案し,小型試験片用で,かつ,高温炉の中で試験できる冶具を開発した. (4)FGMの強度試験 PSZ/SUS304系複合材料,FGMについて,破壊試験,破壊靭性試験を行った.き裂発生・進展挙動の観察,破面解析を通して,不均質・傾斜組成の影響,試験温度の影響を明らかにした.
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