研究分担者 |
井岡 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50283726)
宮川 豊章 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80093318)
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
服部 篤史 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30243067)
小林 茂広 住友大阪セメント, セメントコンクリート研究所, 主任研究員
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研究概要 |
経年インフラ構造物は,代替構造物がないまま,寿命延伸を余儀なくされている.このような背景の下,構造物の維持保全が重要であることは言をまたない.しかしながら,既存の検査および維持保全の体系である時間ベースの椎持基準の適用は,検査頻度を増すばかりで,供用効率の低下,検査コストの増大を招き,資源・エネルギを浪費することに他ならない.本研究では,コンディションベースの供用適合性評価およびリスクベース維持保全等,新しい維持保全思想の導入による,構造物の戦略的維持保全技術の構築のために,不可欠となる構造物のグローバル診断・評価システムとして赤外線計測に基づく診断・評価システムの開発を行う. 初年度である平成15年度には,高精度赤外線カメラを導入し,これにロックイン熱波動応答計測装置および赤外線ビーム集束加熱装置によるアクティブリモート加熱装置を付加した,赤外線グローバル診断システムを構築するための基礎検討を行った.まず,灯油燃焼バーナーによる赤外線輻射型ヒータを基礎に,集束・拡散などのレンズ効果を持つ赤外線ビーム集束装置を付加したアクティブリモート加熱装置の基本設計を行った.次に,アクティブ加熱装置を用いた加熱時の非定常温度分布をロックイン処理することにより,コンクリート構造物中の剥離欠陥を検出し,剥離欠陥の位置および形状を定量計測する手法を開発した.特に,これまでの赤外線サーモグラフィ法では困難であった,剥離欠陥の深さ計測を可能にした.
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