(1)ウエハ上のデバイス作成プロセスの転位密度評価サブシステムの開発:このサブシステムは全く新規に開発するサブシステムである。デバイスはGaA、InPといった単結晶基板上に各種の積層膜を作ることによって作成される。この過程で基板単結晶には主に線膨張率の違いにより熱応力が生じる。このような熱応力によって既に基板に存在している転位が増殖する可能性がある。本サブシステムでも単結晶育成プロセス・サブシステム、インゴットアニールプロセス・サブシステムと同様に結晶異方性を厳密に考慮したHAS(Haasen-Alexander-Sumino)モデルを用いた3次元有限要素法解析プログラムを開発した。また、複雑な積層構造の場合には要素数が膨大になるため、計算時間の短縮のためにこのサブシステムは並列計算機上で動作するものを開発した。また、本サブシステムを用いてSi基板上にGaAs膜をヘテロエピタキシャル成長させた膜の成膜後の冷却工程の転位密度評価解析を実施し、冷却速度、成膜厚さが転位密度に及ぼす影響を定量的に評価した。 (2)プリ・ポストの整備:解析システムはユーザーフレンドリーなものでなければならない。このために、有限要素メッシュ作成のためのプリプロセッサーと解析結果の可視化のためのソフトを整備した。
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