研究課題
単結晶育成プロセス、インゴットアニールプロセス及びウェハ上のデバイス作成プロセスそれぞれについて、結晶異方性を厳密に考慮した転位密度の定量的評価解析コードを3次元有限要素法により作成し、それらをサブシステムとして直列に結合し、単結晶育成からデバイス作成終了までの全ての段階における転位密度を定量的に評価するための高品位デバイス作成に有用な統合的解析システムを開発することを研究目的として、平成17年度は下記の研究を実施した。(1)インゴットアニールプロセスについて、転位の消滅効果を取り込んだ改良型HAS(Haasen-Alexander-Sumino)構成式を提案した。この構成式では、分解せん断応力の向きに応じて、転位密度に正負を持たせて転位の増殖だけでなく消滅も表現できるようにした。また、らせん転位、刃状転位および混合転位といった転位の種類も考慮した構成式も提案した。これを、結晶異方性を考慮した3次元有限要素解析プログラムに組み込み、GaAs、InPといった化合物半導体のインゴットアニール解析を行ない、その有効性を示した。(2)Siウェハ上にGaAs薄膜を作成するプロセスの転位密度評価解析プログラムにも転位の消滅効果を取り入れる改良を行った。この解析プログラムを用いて、転位の消滅効果の考慮が必須と考えられるRapid thermal annealing(RPA)プロセスの解析を行い、実験で観察されているようなRPAにより転位密度が減少する効果をシミュレーションにより再現することができた。(3)これまで開発してきた単結晶育成プロセス、インゴットアニールプロセス及びウェハ上のデバイス作成プロセスの解析コードを直列に結合して動作させることに成功した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
Journal of Crystal Growth 289・2
ページ: 659-662
Journal of Materials Science (未定)(印刷中)
日本機械学会論文集A編 71・704
ページ: 587-592
機械の研究 57・6
ページ: 619-626
機械の研究 57・7
ページ: 743-749
Proceedings of ICCES'05, International Conference on Computational & Experimental Engineering and Sciences
ページ: 395-400