研究概要 |
平成15年度は,参加者で分担して以下の作業をおこなった. [乾]既に得られている研究成果に基づいて,データ表現法の改良,データ圧縮技術,基礎アルゴリズムの改良をおこなった.また製造支援アプリケーションとして,工程設計支援と,高品質な切削加工用の工具経路生成の研究をおこなった.これらの作業と並行して,研究の進行調整をおこなった. [宮下]ハードウェアによるジオメトリ処理と分散処理技術を組み合わせることで,処理速度をさらに向上させる手法について検討した.分散処理による高速化はシステムの複雑さの増大に対して必ずしも効率的ではない見通しを得た.レンダリング・ハードウェアを用いて,メッシュ生成を高速化する技術についても一部の検討を実施した. [鈴木]オフセットやフィレット付けなどの曲面処理を,レンダリング・ハードウェアを用いて行う技術について研究した.高品質の切削加工用の工具経路を,ハードウェアの機能を用いて計算する手法についても研究した. [金井]鈴木と共同で曲面処理のハードウェア化について研究した.また最新のハードウェア技術を用いて,ジオメトリ処理をさらに高性能化する手法について研究した. 設備備品費では,ワークステーションを3台購入する予定であったが,2台に留まった.これは,価格性能費の向上が著しく,研究の進捗も順調であったため,モデリングマシンによる実験を実施することが可能となり,モデリングマシンを購入した.計算実験のサンプルとして,同一形式の幾何データを用いるために,消耗品費で幾何モデリング・ソフトウェアを購入する予定であった.しかしながら,同一形式の幾何データの形式の選定は研究成果の応用範囲を狭めること及び各研究拠点の幾何データの変換の頻度は多くなく,手間をかければソフトウエアの作成によりある程度の対応が可能であるとの見解に至り,今後の研究成果の統合に際して検討していくことにした.
|