研究概要 |
本研究では、次世代半導体製造に必要となる基盤技術として、超高真空中での超精密アライメントに有利な小型超精密XYθテーブルを、Walking Driveと呼ぶ手法を適用して開発することを目的とし、以下の項目について試作開発研究を行った。 (1)変位拡大機構を持つ駆動部の開発 クリープ特性と高真空に対して問題となる接着剤を用いず、制御の簡素化と高速化のために送り方向に変位拡大機構を採用し、新しい駆動部(足に相当する)を試作開発した。 (2)アライメント装置の開発 上記駆動部を6個用い、大気中から真空内のテーブル面マークを監視できるようにテーブルの周辺部で直接"歩行"を行うアライメント装置を開発した。本装置の構成に合わせた駆動ソフトウェアを開発し、概ね支持通りの駆動を行い得ることを確認した。 (3)オープンループ駆動特性の改善 圧電素子のヒステリシス特性を高次関数で近似し、これを補正しながら"歩行"を行う駆動アルゴリズムおよびソフトウェアを開発した。また、圧電素子のクリープ特性を入力電圧の波形をオーバーシュートさせることによって補正するソフトウェアを開発、オープンループでの駆動特性を大幅に改善した。 (4)位置決め制御システムの構築 CCDカメラ(画像処理装置を含む,設備備品として要求)を利用し、その間欠的なフィードバック信号を利用して、その間はオープンループで駆動して位置決めを行う制御システムを開発した。 (5)試作開発したシステムの総合的な特性評価と実用化への検討 新しい装置、駆動ソフトウェア、制御システムなど個別に開発した部分について全機能を統合した場合の特性を総合的に検討、評価した。
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