研究概要 |
本研究は,e-ビジネス環境下における経営,生産の両面における実務的ばかりでなく戦略的にも利用できる意思決定支援システムとして,分散シミュレーション技術を活用した分散型バーチャルファクトリを位置づけて,基本的必要機能の充実を図ることを目的としている. 平成16年度においては,平成15年度の各研究課題の継続・発展を図るとともに,下記の研究を行った. (1)モデル工場の構築 新しい市販シミュレーションシステムとしてFleximを導入し,要素工場として利用するための通信インターフェースの開発を進めた.次年度において要素工場モデルとして組み込む.組立型離散型製品を対象とするモデル工場の充実を図り,市販の生産管理ソフトウエア(ACCROAD-Pro)の組み込みを行った.これにより,MRP,APS等の生産管理法をモデル工場を対象として評価出来る体制が整った.現在,コスト評価用のABC法ソフトウエアの整備と組み込みを進めている. (2)実システム自動追従機能の基礎検討 リアルシステムとバーチャルシステムが連動し,生産システムの運用を効率的に行える機能の実現に必要なアーキテクチャについて基礎的な検討を進めている. (3)バーチャルファクトリの戦略的意思決定への適用 複雑系経済学の観点からの人工市場の研究やサプライチェイン環境下におけるバーチャルエンタプライズの研究を推進し,戦略的意思決定へのバーチャルファクトリ適用の可能性と方法について検討した. (4)ABC法組み込みバーチャルファクトリによる生産管理技法の総合的評価 (1)に述べたようにモデル工場にABC法ソフトウエアを組み込みつつあり,生産管理法の特徴をABC法によりコスト面から解析できる環境を整備している,また,(3)の研究を通じて,ABC法の戦略的意思決定への適用法についても検討を進めている.
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