研究課題/領域番号 |
15360071
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
水本 洋 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 教授 (80108795)
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研究分担者 |
有井 士郎 国立大学法人鳥取大学, 工学部, 助教授 (80222751)
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キーワード | 位置決め / 工作機械 / ナノテクノロジ / 静圧軸受 / 超精密加工 / 摩擦駆動 / 能動制御 |
研究概要 |
平成15年度の研究により完成した3モードピコ位置決めシステムの性能評価を行うことが本年度の主な研究課題である。以下においては各位置決めモードにおける性能評価結果の概要などを述べる。 1.粗動モードでの位置決めについて まず、数値制御装置によりツイストローラ摩擦駆動機構を駆動し、全ストローク(40mm)移動が可能であることを確かめた。つぎに、レーザスケール(分解能70pm)によるフィードバック制御を行い、全ストロークのNC動作が可能であることを確認した。つまり、粗動モードはGコードなどによる数値制御プログラミングが可能となった。つぎにステップ位置決めを試み、位置決め分解能を探った。テーブルのステップ動作はレーザスケールフィードバックによるNC制御により実行させ、テーブル挙動は容量型変位計で測定した。その結果、粗動モードでの位置決め分解能は少なくとも10nmであることがわかった。 2.微動モードでの位置決めについて モータ取付部に組み込まれた圧電素子駆動の微動機構によりツイストローラ摩擦駆動機構の駆動軸をわずかに回転させることで微動位置決めを行った。最初にストロークを測定したところ、およそ0.1μm程度であった。つぎに容量型変位計をセンサに用いたパソコンフィードバックにより位置決め分解能を解析した。その結果、微動モードでの位置決め分解能は0.5nm程度であることがわかった。 3.超微動モードでの位置決めについて 空気静圧案内面に組み込まれた能動自成絞りによる超微動機構はピコメートル位置決めをめざす本研究の中心的機構である。テーブル変位を光ファイバ変位センサにより検出、フィードバックするパソコン制御によりステップ位置決めを行い、位置決め分解能を探った。その結果、現時点での位置決め分解能は50pmと測定された。機構的にはさらに細かいステップ指令にも反応しているようであるが、センサノイズに隠れて確認できなかった。 4.静圧カップリングの効果について 本位置決めシステムに使われているツイストローラ摩擦駆動機構は機構的にマイクロメートルオーダの横方向の振動を生じる。この横振動がテーブルに伝わるのを防ぐために静圧カップリングが使われる。この静圧カップリングの効果により、テーブルの横振動を10nmオーダに減少させられることを確かめた。
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