研究課題
アルミニウム合金を超精密ダイヤモンド切削後に無電解ニッケル膜を成膜し、これを再度非球面に超精密ダイヤモンド切削し、表面粗さを向上させるため研磨して金型とし、その表面に金を成膜後に内面加工した反射鏡基板をエポキシ樹脂で接着し、加熱・養生後に冷水に漬けて、離型することにより内径10mm以下で形状誤差±72nm、表面粗さ1nm RaのX線レプリカ集光鏡を製作し、結像分解能50nm以下のX線顕微鏡を完成させた。ガラス円筒にPt/C多層膜を成膜し、その上に1/3円状のアルミニウムフォイルをエポキシ樹脂で接着し、真空中で加熱・養生後に、引き剥がすことによりX線レプリカ反射鏡を製作し、X線望遠鏡に組立て、気球に搭載し、アメリカで硬X線領域の天体観測を行った。無電解ニッケル平面母型をフロート・ポリシングし、それに各種Pt/C多層膜を成膜し、ガラス基板をエポキシ樹脂で接着し、離型することでPt/C多層膜レプリカ反射鏡を作成した。無電解ニッケルの表面粗さ0.14nm rmsに対し、剥離したPt/C多層膜レプリカ反射鏡の表面粗さ0.16nm rmsが得られ、完全な転写性を有することを確認した。シリコン単結晶表面にPt/C多層膜を成膜し、超高圧透過型電子顕微鏡により断面観察した結果、Cはアモルファス構造を呈し、Ptは配行した多結晶構造であり、これが界面粗さを規定している。また、Pt/Cの周期長が3nmを切ると、界面の粗さが顕著になり、要求されるX線反射特性が得られず、周期長が短い場合はMo/Siの多層膜が有利であることを見出した。直径70mmの無電解ニッケル金型を製作し、この表面にTi膜を成膜後、Pt/C多層膜を成膜し、内面加工した鋼製反射鏡基板をエポキシ樹脂で接着し、真空中で加熱・養生後に冷水に漬けて、離型することにより、円筒内面にPt/C多層膜がある硬X線用多層膜レプリカ反射鏡が製作できた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
Mater.Trans. 47,2
ページ: 267-270
Phys.Med.Biol. 51
ページ: N99-N107
JSME International Journal, Series C 49,1
ページ: 56-62
Prec.Eng. 30,2
ページ: 223-230
Nanotechnology 16,6
ページ: 883-887
Annals of the CIRP 54,1
ページ: 503-506