研究分担者 |
浜野 秀光 (株)昭和電工, 技術本部・技術研究所, 主任研究員
大橋 隆弘 (独)産業技術総合研究所, ものづくりセンター, 主任研究員 (80277821)
羽賀 俊雄 大阪工業大学, 工学部・機械工学科, 助教授 (00212134)
山崎 敬則 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 助手 (80342476)
伊澤 悟 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (00232223)
|
研究概要 |
1.最適鋳造条件の解明 溶湯直接圧延によって結晶粒の微細なマグネシウム合金板材を得るための,鋳造条件を求めた.ロール傾斜角度が0°の場合,20ミクロンメートル以下の平均結晶粒を有する板材を製造できる条件は,ロール週速度で5-15m/min,注湯温度で625〜630℃,であることを確認した(板材の幅80ミリの場合).板材は急冷凝固によって,組織は微細化,球状化しており板材中央部の組織はほぼ等軸晶となっていることを確認した.結晶粒微細化へおよぼす上下ロールの周速比を明らかにした. 2.実験装置の設計および製作 AZ31B材のような二元系合金が凝固する際に初晶に振動力を与えることによって微細なマグネシウムストリップキャスト材を得るための装置の設計および製作を行った.この装置では,温度,圧延部分に制御系を有しており,溶湯の液面レベル,ロール圧延温度などを一定にすることができる.この装置を使用して,ロールストリップキャスティングの際のロールと溶湯との熱伝達係数を実験と計算の両面から推定することができた. 3.最適圧延条件の調査 マグネシウム合金AZ31Bのストリップキャスト材を,温間で圧延し,結晶組織観察,温間での深絞り成形試験を行った.温間で圧延の温度を200℃から,450℃まで変化させて実験したところ,圧延温度が250℃以下では,リダクションが小さくても耳割れが発生した.また,温間圧延中に中間焼鈍を行うことで結晶組織が均一化し,結晶粒の大きさのばらつきが減少することが判明した.圧延温度は,300℃,または,350℃が適しており圧延パスは,圧延の初期にリダクションを大きくとるパスが成形性のよい展伸材を得るには効果があることを明らかにした. 4.凝固,流動,変形解析の有限要素モデルの開発 凝固珪酸にはUMISTが開発したコントロールボリューム法を使用して,対流項を考慮した鋳造解析を行った.この結果,ロールと溶湯の熱伝達条件を変化させ,凝固の際の温度分布を知ることができた.この温度分布の結果を用いて,変形の解析を行い,これを各時間ステップごとに繰り返すことで近似的に凝固と変形の連立解析を行う手法の有効性を確認した.この計算モデルでロールストリップキャスティングの解析が可能であることを明らかにした.
|