研究概要 |
紙と鋼ローラ間の真実接触状態,表面トポグラフィー,紙面とローラ間の浮上すきま,及び摩擦力などが測定できる試験装置を設計・製作した.この装置では回転ローラに紙面を押し付けて,紙とローラ間のすきま並びに両面間の摩擦力をそれぞれレーザ変位計及びロードセルによって測定した.実験に用いた紙は,非コート紙(新聞印刷用紙)並びにコート紙(表面粗さ並びに透気度の異なる数種類)である.一方,共焦点レーザ顕微鏡を用いて紙及び鋼表面の粗さ分布を非接蝕で計測し,その確率密度関数を求めた.これに表面突起高さの変形及び紙本体の厚み方向の変形を考慮し,G-Wモデルに倣って接触面間の平均接触圧力,荷重分担割合を確率論的に導いた.さらに,その結果を混合潤滑理論並びに紙の透気性を考慮したフォイル軸受理論と連立させて解き,広範囲の環境下並びに作動条件下において有効な摩擦係数の予測モデルを定式化した.なお,紙の接触問題の解析にあたっては,非コート紙(新聞印刷用紙)については表面粗さの突起形状を円筒形のファイバーと仮定し,これに紙のベース部分が直列結合しているとして変形量をフックの法則で見積もった.一方,コート紙については粗さの突起形状を球面と仮定する他は非コート紙の場合と同様にして扱った.測定値と理論予測値を比較検討して両者が良く一致することを確認し,理論モデルの妥当性を検証した.
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