研究概要 |
現有の離散粒子シミュレーションコードに熱移動モデルを組み込むため,実験および数値解析の両面から準備を行った.また,より実現象に近い条件での計算を行うため,粒径分布を考慮できる解析コードの開発を試みた.さらに,計算の大規模化を目指し,相似則モデルを用いた数値解析手法の確立を試みた.それぞれについて,研究実績を以下にまとめる. 実験 ・赤外線サーモグラフィーを導入し,またスピネルガラスを装置の窓材として使用することで,装置内部の温度分布が計測できることを確認した. ・ハイスピードビデオカメラを導入し,2次元流動層内の粒子運動を撮影した. ・大きさの異なる2成分粒子からなる流動層において,圧力損失特性および偏析現象について定量的な評価を行った. 数値解析 ・粒子問および粒子-流体間の熱移動モデルについて検討し,用いるモデルを絞り込んだ. ・現有の数値解析コードにエネルギー式を組み込み,熱移動モデルを導入することで,熱の影響を考慮した数値解析を行うことのできるようにコードの改良を行い,動作確認を行った. ・粒径分布を考慮するため,多分散粒子系に対する流体抵抗モデルについて検討した. ・多分散粒子系に対する流体抵抗モデルを組み込んだコードを開発し,大きさの異なる2成分粒子からなる流動層に対して,圧力損失特性および偏析現象について数値解析を行った. ・計算負荷軽減の目的で,実際の粒子よりも大きな粒子で現象を模擬する相似則モデルにおいて,気泡挙動,粒子拡散および対流の観点から,限界モデル粒子径に対する指針を与えた.
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