1.統合解析手法の基礎方程式構築 界面追跡法・粒子追跡法・平均化手法を統合化した基礎方程式の基本形を構築した。その際、流体密度の温度・圧力・濃度依存性を考慮し、多種多様な混相流現象に様々な空間分解能で対応できるようにした。 2.界面追跡法の高度化 界面追跡計算アルゴリズムを再検討し、従来手法に比べて高精度の方法を開発した。本手法は、水・空気系のように密度比が大きい条件でも良好な体積保存性・高い数値的安定性・界面シャープさ維持能力を有する。 3.平均化手法の高度化 平均化手法では格子サイズより大きな気泡・液滴・粒子を扱えない。この問題を解決するために数密度輸送方程式に基づく新たな手法を開発し、既存手法では取扱い不可能であった多くの混相流問題を精度良く予測できることを確認した。 4.粒子追跡法の高度化 粒子追跡法と界面追跡法をシームレスに結合するために、粒子追跡法に流体体積率関数の概念を導入した新手法を考案した。本手法により、格子サイズの2倍以上の大きさを有する流体粒子・固体粒子を容易に、かつ精度良く予測できることを確認した。 5.界面運動量輸送相関式の開発及び選定 界面運動量輸送相関式として、流路壁の存在が抗力に及ぼす影響に関する実験を実施し抗力補正相関式を構築した。また、模擬気泡塔を作成して塔内気相体積率分布を測定し、平均化手法に基づく計算結果の比較により各種相関式の感度解析を行い、界面運動量輸送項と二相乱流モデルの選定を実施した。さらに、静止水中気泡揺動運動測定装置と計測系を開発し、揺動運動誘起力モデルを作成した。本モデルを気泡追跡法に組み込み管内気泡流におけるボイド波形成現象を良好に予測できることを確認した。 6.界面追跡法と気泡追跡法の融合 前記項目2と4で開発した界面追跡法と気泡追跡法を結合したハイブリッド手法の開発した。現在、検証計算を実施している段階にある。
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