本研究はレイノルズ平均法乱流モデル(RANSモデル)の枠組みでの圧力変動を含む相関項のモデル構築を目的として、粒子画像流速計(PIV)による速度場情報から瞬時の圧力分布を求め、乱流等計量を評価した。ここで取り上げる圧力場のイメージング手法は、これまでに鈍い物体周りの圧力場計測に際し一定の評価を得ることができており、研究初年度には一様流中におかれた角柱周りの流れと、2つの非流線型断面の柱状物体周りの流れを計測した。 新たに導入したYAGレーザを用いたシート状光源と、1メガピクセルの解像度を有するデジタルカメラによって、これまでの一連の研究と比較してより広範囲にわたって精度の高い速度場データを取得することができた。これによって、圧力場の推測に関してもより信頼性の高い結果が得られたといえる。特に、撮影領域の拡大により、これまでは不可能だった一様流に境界を設定することができ、そのことによって圧力勾配の境界条件の適用性が向上した。 一方、角柱周りの流れについて実行されたDNSの結果からは、これまで欠如していた時間軸方向の情報を含めた境界条件の取扱が可能となった。その結果、圧力のポアソン方程式を2次元近似して解析を実行する際、界面の圧力勾配の推算で非定常項を無視することの誤差評価を行うことができた。概ね10%程度の誤差が発生することが確認され、PIVによる測定は新規に導入したものでも十分な信頼性が確保されることがわかった。
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