研究概要 |
最終年度の17年度は日本機械学会論文集3編、洋雑誌1編、Proceedings論文集8編、口頭発表15件の成果を挙げることができた。まず、洋雑誌に掲載された成果の概要は、多数の振動モードを有する柔軟除振台の研究は,除振台の有する5次モードまでの振動をフィードバックによるLQI制御によって行い,地面や台に直接加わる直動外乱の制御にはフードフォワード制御を行う組み合わせ制御(これを2自由度制御と呼んでいる)によって,優れた除振性能が得られることを示している。 日本機械学会に掲載された3編の内の1つは,大地震に対応するにはエネルギ注入が不要なパッシブ型が適しているとの観点から,同一振動特性を持つ構造物を,段差をつけて連結するパッシブ型連結制振装置の最適設計法を得ている。その2は、超高層ビルの風による揺れや地震による揺れを制御する課題である。可変減衰範囲を拡大できるMRダンパを開発し.また非線形予測制御理論を構築して、セミアクティブ制御を実施した報告である.その3は車体を軽量化することによって省エネルギ化を達成しようとする研究である。軽量化すると車体の弾性振動が発生するので、それをロバスト制御によって抑制し、アクティブサスペンション制御によって、振動に加えて操縦安定性も向上できることを示している。 著書の構造物の振動制御は、本研究課題を網羅的に扱い、フレキシブル構造物の振動と運動制御の方法を多数の事例を用いて詳しく説明している。
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