研究概要 |
1.超小型ナノマニピュレータの開発 透過型電子顕倣鏡(日立,H-800,200kV)(以下,TEM)内に収納可能な超小型ナノマニピュレータを設計し試作した.駆動原理は積層型の圧電素子とヒンジ機構を用いた自由度は能動3自由度,受動3自由度とした.能動3自由度は圧電素子とヒンジ機構によりTEM内て動作可能である受動3自由度は走査型電子顕微鏡(JEOL,JSM-6500F,30kV)(以下,SEM)内に収容可能なナノマニピュレータによって駆動するため,SEM内ナノマニピュレータにTEM内ナノマニピュレータが組み込めるように改良した.以上により,TEM & SEM融合型のナノマニピュレーションシステムの基本要素が完成した.TEM観察は良好であった. 2.ナノラボラトリにおける加工・成膜 単一カーボンナノチューブプローブによりカーボンナノチューブ(以下,CNT)の長さを短縮加工した.また単一カーボンナノチューブプローブの電界電子放出を利用した電子ビーム誘起蒸着(EBID)による成膜・パターンニング特性を調べた.EBIDによりW(CO)_6を利用した導電性薄膜を成膜し,以上のタングステン成分が計測できた. 3.ナノラボラトリにおける操作・組立 1.で述べたように,SEM内のナノマニピュレータにTEM内の超小型ナノマニピュレータを容易に取り付け,脱着するための機構を設計し,試作した.超小型ナノマニピュレータをTEMに組み込んで制御するための制御システムを設計した. 4.ナノラボラトリにおける計測評価 CNTを用いたナノプローブを静電気力によって共振させ,そのときの振幅を走査型電子顕微鏡によって画像観察することによって,共振周波数を計測し,これに基づいてCNTのヤング率を同定した.アーク放電によって製作した多層CNTに対し,様々なサンプルのヤング率を計測した.
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