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2003 年度 実績報告書

「局所滑り覚」概念導入に基づく予知触知覚情報の取得・呈示法

研究課題

研究課題/領域番号 15360139
研究種目

基盤研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

前野 隆司  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20276413)

研究分担者 山田 陽滋  豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90166744)
キーワード触覚 / 把持力制御 / 触覚センサ / 触覚ディスプレイ / 局所滑り / PVDF
研究概要

前野は,局所滑り覚ディスプレイの基本概念の妥当性を確認するために,ヒト指腹部の有限要素解析を行った.その結果,3分割した平板状刺激子を指に接触させ,両端の刺激子を等速で,中央の刺激子を別の速度で接線方向に移動させれば,実際にヒトの指で平板を把持する際の局所滑り状態と同様なマイスナー小体の発火分布が得られることを確認した.また,シミュレーションと同様に3分割した刺激子と,直径の異なるプーリなどから成る簡便な手動型局所滑り覚ディスプレイを試作し,この装置を用いた実験を行った.その結果,局所滑り覚を強めに提示した場合にヒトは無意識のうちに把持力を強め滑りを回避する,下位中枢による制御を行うことを確認した.
山田は,分散配置したPVDFフィルムを人工機械受容器として,局所滑り覚ディスプレイによる呈示情報をモニタするための「人工皮膚型局所滑り覚センサ」を設計・製作・評価した.具体的には,ヒト指紋稜線の構造的特徴を模倣した指紋状凸部(ridge)を6個1列に設置した呈示・センサ両機能を有するパッドを設計した.パッドがヒト指掌部と接触して,その接触面に局所滑りが生じる際には,指紋郡の一部が滑り状態の領域に,また,残りが固着状態の領域にそれぞれ属していることが想定される.このような考察に基づき,ridge単体が固着状態から滑り状態に遷移する際に,これに埋め込まれたPVDFフィルムに生じる応力の変化についてFEM解析を行ったところ,ridgeに滑りが生じる際に特徴的な応力変化が現れることが分かった.そこで,人工ニューラルネットワークを用いて,ridgeの表面が固着状態か滑り状態かを自動的に判定するセンサシステムを構築した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 毛利優之, 前野隆司, 山田陽滋: "バーチャル把持のための局所滑り覚呈示法"第3回日本機械学会機素潤滑設計部門講演会講演論文集. 03-03. 93-94 (2003)

  • [文献書誌] Masayuki Mori, Takashi Maeno, Yoji Yamada: "Method for Displaying Partial Slip used for Virtual Grasp"Proc.IEEE/RSJ Intl.Conference on Intelligent Robots and Systems. 3100-3105 (2003)

  • [文献書誌] Isao Fujimoto, Yoji Yamada, Takashi Maeno, Tetsuya Morizono, Yuji Umetani: "Development of Artificial Finger skin to Detect Incipient Slip for Realization of Static Friction Sensation"Proc.IEEE Conference on Multisensor Fusion and Integration for Intelligent Systems. 15-21 (2003)

  • [文献書誌] 山田大介, 前野隆司, 山田陽滋: "指紋により接触/非接触・固着/滑り分布を検出する弾性ロボットフィンガの開発"日本機械学会論文集(C編). 70巻690号. 560-566 (2004)

  • [文献書誌] 藤本勲, 山田陽滋, 前野隆司, 森園哲也, 梅谷陽二: "静摩擦ディスプレイのための触ミラーの研究"第9回ロボティクスシンポジア. 186-191 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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