研究課題
小型電磁継電器(リレー)搭載の2枚の片持ち梁支持片(一方が静止状態で、他方が電磁石とカードで静止支持片側に押付けられる)の先端に取り付けたAg/CdO電気接点対を直流21A回路の閉成責務動作接点対として働かせ、スチッキング(開離不良)発生時の接点間電圧波形を、測定装置を改良することで、観測している。陰極側接点面に積層した転移突起と陽極側接点面の窪みが共に成長し、ある程度の大きさになるとスチッキングが発生した。スチッキング発生過程として、接点対の衝突前後の電圧は計や電流波形を観測することで(分離、アーク放電、接触、ブリッジなどの出現を判定),(1)積層した大きな突起の表面や対応する窪みの表面に存在する微小な凸部の蒸発で衝突直前アーク放電が誘発され、溶融した金属が引き出されて高電位ブリッジが架橋し、その後に接点対はブリッジを押し潰して接触し溶着したと、または(2)接点対は、最後の跳ね返り(およびワイピング中の躍動)の距離が短いので、ブリッジを架橋のまま押し潰して、接触し溶着したと考えている.42V自動車用電気回路を開閉する電気接点対の接触面損傷の一因であるアーク放電の特性を調べるため、低速・定速度開離装置による開離時アーク放電の実験結果では、陰極面と陽極面の近傍の両アーク輝点は(1)アーク継続時間の前半では広範囲に動き、後半になると移動幅が狭くなること、(2)陰極輝点は陽極輝点に比べて、アーク放電前半では輝度が高く・輝く体積も大きいが、アーク放電後半になると逆転すること、(3)接点材料Ag系とCu系とで輝点の運動形態(運動範囲、速度、輝度)に違いがあること、(4)輝点の運動面積が狭いと窪みができることなどを、示している。
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