研究課題/領域番号 |
15360153
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
芳賀 昭 東北学院大学, 工学部, 教授 (20048820)
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研究分担者 |
小林 宏一郎 岩手大学, 工学部, 助教授 (60277233)
川又 憲 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (00244905)
遠藤 銀朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (80194033)
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キーワード | VLF磁界 / 磁界曝露 / SOS修復遺伝子 / DNA損傷 / Salmonella Typhimurium / β-galactosidase |
研究概要 |
本年度は次の3点の研究を行なった。 (1)20kHz磁界曝露装置および60kHz磁界曝露装置を整備した。 (2)DNA損傷のSOS修復遺伝子発現調節系を利用する生体影響検出デバイスの検討。 SOS反応は主としてrecAとlexAの二つの遺伝子によって発現が調節されている。正常状態ではlexAにより生産されるレプレッサー蛋白によってSOS反応は抑制されている。VLF磁界によりDNAに損傷を受けるとrecA蛋白がプロテアーゼ活性を持つようになり、これがlexAのレプレッサー蛋白を分解し、SOS遺伝子郡が誘導され、SOS機能が発現される。 SOS反応が誘発されると、umu遺伝子(SOS遺伝子のひとつ)のプロモーターの調節下にあるUmuC'-'RacZ融合遺伝子が発現する。その産物であるUmuC'-'RacZ雑種蛋白がβ-galactosidase活性を持っているので、これをSOS反応の強さ、すなわち変異原性の強さの指標とすることが可能である。変異原性が強いほどumu遺伝子が多く発現し、β-galactosidaseの活性値が高くなる。すなわちβ-galactosidas活性値が高くなればそれだけDNAに損傷を受けたことになる。本年度はこのβ-galactosidase活性を指標としてDNA損傷の評価を行った。 また、本研究ではUmuC'-'RacZ融合遺伝子を持つプラスミドpSK1002を組み込んだネズミチフス菌Salmonella Typhimurium TA1535/pSK1002を用いて実験を行った。 (3)Salmonella Typhimurium TA1535/pSK1002を用いて、20kHzの磁界曝露時のDNA損傷の基礎データ収集 整備した磁界曝露装置により細菌に20kHz,600μTの磁界を曝露した結果、磁界曝露側のβ-galactosidase活性値が高くなったものが多く、磁界により損傷を受ける可能性があることが示唆された。 しかしサンプル数は少ないので今後継続してデータを収集する。
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