真空アーク放電は、SF_6遮断器のような地球温暖化現象をともなわないので、今後大々的に使用されると考える。今年度は、世界組織であるCurrent Zero Clubの会長に選任された。これは本研究費の成果が認められたからである。 次に数多くの海外技術論文や論文を出すことができた。また、この分野で世界的に著名なInternational Conference on Discharges and Insulation in Vacuumを、日本に呼ぶことができた。 電流裁断現象については従来から測定は行われているが、単に数値で示されるのみであった。しかし、数々の接点材料でデータを集積したところ裁断値、不安定開始電圧、過渡回復電圧、アーク電圧など接点材料が決まると同じ傾向を示すことが確認できた。また、モノクロメータで測定すると裁断時の光のゼロ点に達成する光減衰測定も、同様な傾向を示すことも分った。これはある接点の何かを測定すると、他のアーク定数が全て分ることを意味している。 また、電極構造として縦磁界電極、平板電極、スパイラル電極あるいはコントレート電極を用いて試験を行ったところ縦磁界電極が電極外に放出される金属が最小であり、従って、周囲の汚損が低いことが分った。また、遮断後の耐圧がCuCr電極ではCr25%以上50%以下で最適値があることが分った。また、高電圧大電流バルブでは縦磁界電極とCuCr電極が良いことが分った。 次に自復性放電放電現象について調査したところ、発生する自復性放電が最小値を示す接点材料があることが分った。これは上記高電圧大電流遮断と同じ傾向を示すことが分った。
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