研究課題/領域番号 |
15360156
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺本 章伸 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教授 (80359554)
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研究分担者 |
森本 明大 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助手 (10359557)
大見 忠弘 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20016463)
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キーワード | SiC / プロセス低温化 / ラジカル酸化 / スパッタ成膜 |
研究概要 |
マイクロ波励起高密度プラズマシステムにおいて、プラズマ励起ガスをKrとしてO^*ラジカルを形成し、さらに炭素をSiO_2膜から除去するプロセスを用い、1000℃以下のプロセス温度でSiC基板上に高品質なゲート絶縁膜を実現した。また、ターゲットバイアスと基板バイアスを独立して制御できるスパッタ成膜装置を用いて、400℃という温度でSiCを成膜した。 シリコン基板上においては、あらゆる面方位のシリコンに対して、低温(400℃以下)で界面準位密度が小さく固定電荷密度も低いSiO_2膜を形成できるO^*ラジカル酸化を用いてSiC上に酸化膜を形成するとSiO_2膜中に10^<20>[atoms/cm^3]炭素が残留し、10^<12>[cm^<-2>]台という界面準位・固定電荷が発生し、シリコンの場合と同様には高品質のSiO_2膜を形成することはできなかった。そこで、10[nm]以下のSiO_2膜を形成した後、1000℃のN_2雰囲気中でアニール処理を行うことにより、膜中の炭素濃度を一桁以上低減し、界面準位密度を2×10^<11>[cm^<-2>]まで低減した。 シリコンにおいては、400℃という低温でエピタキシャル成長が可能なターゲットバイアスと基板バイアスを独立して制御できるスパッタ成膜装置によって、SiCの成膜を行い、その後の950℃の熱処理により、結晶化がみられた。これは、現状、1500℃以上の温度が必要なSiC成膜を1200℃以下というシリコン産業で用いられている温度まで低温化するのにつながる技術となる。 これらの成果を組み合わせていくことは、シリコン産業で用いられており、装置・部材とも優れた品質のものが存在する1200℃以下という温度でSiCデバイスの製造プロセスを行うことへの基本的技術となっていくと考える。
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