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2003 年度 実績報告書

超ヘテロ・ナノ結晶の創製と光―電子新機能デバイスへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 15360159
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京工業大学

研究代表者

渡辺 正裕  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00251637)

キーワード弗化カルシウム / 弗化カドミウム / 共鳴トンネルダイオード / 微分負性抵抗 / サブバンド / 微小孔 / コバルトシリサイド / ローカルエピタキシー
研究概要

本年度の主な研究成果
共鳴トンネルダイオード特性の精密制御をテーマとして、電子ビーム露光装置でパターニングされたナノザイズ領域への選択エピタキシー(ナノエリアローカルエピタキシー法)を提案した(JST特許申請中)。この技法を用いると、ナノ微小孔中に数原子層の薄膜が極めて均一に形成されることが明らかとなり、共鳴トンネルダイオード特性の均一化に著しい改善が見られた。その結果、2重障壁および3重障壁構造CdF_2/CaF_2共鳴トンネル構造で、量子井戸層厚による量子井戸サブバンドの制御を室温において実験的に実証する水準にまで到達した。研究開始前の状況から比べると、結晶成長の精密制御に関して飛躍的な進歩が見られた。平成15年度の顕著な成果として、
〓ナノエリアローカルエピタキシー法を用いて結晶成長領域の微細化を試み、現状では、微小孔直径20nmの超微細素子形成が達成されている。これは電子ビーム露光による微細加工技術、弗化物ヘテロ構造に特化したプロセス技術および、ローカルエピタキシー法における表面清浄化および結晶成長基板温度を最適化することにより達成されたものである。
〓上記の結晶成長領域超微細化の結果として、CdF_2/CaF_2三重障壁共鳴トンネルダイオード構造を用いて、量子井戸厚変化による構造依存性から、量子井戸サブバンドの制御を試みたところ、量子井戸厚1.2nm〜3.6nm程度の範囲で、微分負性抵抗特性のピーク電圧をほぼ理論予測に従う形でコントロールすることに成功した。この材料系で二重障壁構造に引き続き三重障壁構造をこの技術水準に到達させたのは本研究が世界で初めてである。
〓シリコン基板面方位<100>基板上への弗化物ヘテロ超構造の結晶成長を試みた。原子ステップにおける結晶欠陥を抑制するため、2°off基板を用いて2原子層ステップが支配的になるように制御することにより、Si(100)上への薄膜エピタキシャル成長を再現性よく可能とし、さらに、この方法を用いて作成した共鳴トンネルダイオードは再現性よく室温で微分負性抵抗を示し、量子構造の形成が確認できた。また、その室温微分負性抵抗特性の構造依存性の解析から、量子井戸厚に±1原子層の層厚揺らぎが存在していることが示唆された。
〓CoSi_2(金属)/CaF_2(絶縁体)ヘテロ構造にはじめてローカルエピタキシー法を適用し、三重障壁共鳴トンネルダイオード構造の微分負性抵抗特性において、適用前には得られなかった33にも及ぶピーク対バレー電流比が均一性・再現性よく得られるようになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Niiyama, T.Yokoyama, M.Watanabe: "Effect of Buffer Layer for Epitaxial Growth of High Magnesium Content BeMg ZnSe Lattice Matched to GaP(001) Substrate"Jpn.J.Appl.Phys.. vol.42.6A. L599-L602 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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