研究概要 |
システムインディスプレイの実現を目指し、ガラス上におけるSiGe局所結晶の低温方位制御とデバイス応用に関する研究を行い、以下の成果を得た。 1.SiGe局所結晶の低温方位制御 SiGe多層構造(SiGe/Ge/SiGe/ガラス,SiGe/Ge/ガラス,SiO_2/Ge/SiGe/ガラス)の固相成長を系統的に検討した。その結果、結晶核を低温度で発生するGe薄膜を非晶質SiGe内部に局在導入すれば核が三次元に発生するのに対し、Ge薄膜を絶縁膜と接して局在導入すれば、界面核が二次元に発生する事を明らかにした。さらに、核発生に与える諸要因を解明し、核発生プロセスの単一化(界面核の優先発生)には、臨界膜厚以上のGe薄膜をSiGe/ガラス界面に挿入する必要がある事を明らかにした。次に、ガラス基板上に形成した非晶質SiGe薄膜の極微小領域への応力印加による結晶成長促進効果を検討した。その結果、低Ge濃度の非晶質SiGe薄膜において、<111>方向の結晶面を有する結晶核を選択的に発生させ、結晶方位の揃ったSiGe結晶粒(粒径:〜3μm)を形成する事に成功した。これは、応力印加により、非晶質SiGeの表面又はガラスとの界面での二次元核発生が促進した為と考えられる。これらの結果は、ガラス上に於けるSiGe局所結晶の方位制御に新たな道を拓く成果である。 2.SiGe局所結晶のデバイス応用 ソース・ドレインをショットキー接合としたトランジスタの形成プロセスの低温化を検討した。その結果、低温(450℃)での形成プロセスが確立できた。この手法を用い、ガラス基板上にトランジスタを試作し、その良好なデバイス動作を実証した。
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