研究課題/領域番号 |
15360177
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
京兼 純 独立行政法人国立高等専門学校機構奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50043469)
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研究分担者 |
早川 恭弘 独立行政法人国立高等専門学校機構奈良工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (50180956)
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キーワード | カーボンナノチューブ(CNT) / ポリウレタンエラストマ(PUE) / PUEアクチュエータ / 分子構造制御 / 低電界駆動 / 空間電化測定 / 圧電効果 |
研究概要 |
カーボンナノチューブ添加PUEフイルムの電歪効果を利用した『人工筋肉様』低電界駆動型アクテュエータの実現という目的で研究を遂行し、平成16年度に得られた結果をまとめると以下のようになる。 ○昨年度に顕著な『電歪効果』が得らたPUEのソフトセグメント部およびハードセグメント部に対し、16年度は分子構造の異なるポリエステル系ポリオールと各種ジイソシアネートを組み合わせ、鎖延長剤を用いて合成した。フィルム化はキャステング法で行った。 ○PUEのカーボンナノチューブによる分子構造制御は、本研究の最大の特徴になっており、カーボンナノチューブを発煙硫酸でスルホン化(4〜8週間)し、加水分解した後にトルエン稀釈液(0.005〜0.05wt%)を作成してPUE合成時の硬化剤として反応させた。 ○トルエン稀釈液により分子構造制御することで、従来の方法に比べ、分散性の良い透明性かつ質の高いフイルム化に成功した。特にトルエン稀釈液0.005wt%のとき、トルエン未使用0.25wt%より『低電界駆動』が実現出来、本アクチュエータは印加電圧200Vで約1mmの変位を得ることが可能となった。 ○PUEアクチュエータの電極構成には、昨年まで熱およびイオンアシスト法で蒸着していたが、本年からイオンスパッタ法を利用して行った。スパッタ法を利用した場合、電極膜厚が35nmの時最大変位が得られ、熱蒸着法等に比べ著しく改善した。 ○カーボンナノチューブ導入PUEアクチュエータの『発生力』は、昨年とほぼ同様な結果となり、200μmのフイルム厚さで最大の力が発生し、自重め5倍程度の発生力となっている。 ○カーボンナノチューブ導入PUEアクチュエータの電歪効果等の解析には、パルス静電応力法で空間電荷測定等を行ない、さらに詳細な検討を加え応用等に向けた研究を進めていく。
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