研究概要 |
フォトニック結晶ファイバ(photonic crystal fiber : PCF)の特異な性質を駆使して,従来の光ファイバでは実現し得ない特性を備えたファイバ形光デバイス創成のための基盤技術を確立することを目的として研究を進め,下記の成果を得た. (1)研究代表者のグループが独自に開発を進めてきたベクトル型の有限要素法の高精度化,汎用化を図り,PCFの単一モード伝送帯域,実効コア断面積,波長分散特性,ビーム広がり角,伝送損失,曲げ損失,接続損失,偏波依存損失(PDL)などの基本特性を明らかにした. (2)ファイバ形光デバイスを構成するうえで重要な非線形屈折率や温度がPCFの伝送特性に与える影響については,まだ解明されておらず,本研究で開発を進めている計算アルゴリズムを非線形屈折率変化や温度変化にも対応できるように高性能化した. (3)PCF解析設計支援環境の構築に向けて,解析システムと測定システムを整備した.解析システムについては,設計作業能率の向上のため,本研究で開発を進めている解析設計技術に適合したプリ/ポストプロセッサを整備するとともに,実際に作成されたPCF形光デバイスの特性評価結果を詳細設計に反映させるため,PCF断面構造の画像処理技術を開発し,実モデルシミュレーションを可能とした.
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