研究課題/領域番号 |
15360179
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
柏葉 安兵衛 岩手大学, 工学部, 教授 (30003867)
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研究分担者 |
佐藤 宏明 岩手大学, 工学部, 助手 (90359498)
西館 数芽 岩手大学, 工学部, 助教授 (90250638)
馬場 守 岩手大学, 工学部, 教授 (20111239)
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キーワード | 発光ダイオード / CdS / p形 / フォトルミネッセンス / 可変色 |
研究概要 |
Cuをドーピングしたp形CdS(p-CdS:Cu)を用いたITO/p-CdS:Cu/n-CdS/Al構造のダイオードを条件を変えて作製し、液体窒素中で順方向パルス電流による発光を調べた。その結果、発光色は、Cuのドーピング量が少ない場合には青緑色から黄色まで変わるが、Cuの量が多い場合には黄色から赤まで変わることが分かった。発光スペクトルは、いずれの発光でもブロードであったが、ピーク波長は電流の増加と共に短波長側にシフトし、発光色の変化を裏付けるものであった。スペクトルの短波長端には、CdSの吸収端が関与していると見られる発光のショルダーが現れたが、このショルダーは電流レベルによってシフトすることはなかった。また、直流による発光も観察できた。ITO透明電極基板からのInの拡散を抑えることによって、発光を強めることができた。 CdS中でのCuの振る舞いを明らかにする目的で、CdS:Cu膜及びCdS膜のフォトルミネッセンスを詳細に調べ検討した。その結果、Cuをドーピングした場合には励起子発光とそのフォノンレプリカが観測され、結晶性が向上することが分かった。また、一般に言われている深いアクセプタレベルが確認されたほか、D-Aペア発光が観察され、100meV以下の浅いアクセプタレベルが形成されていることを明らかにした。このことによってCdS:Cu膜はp形特性を示すものと考えられる。 CdSにCuをドーピングすると、どのようなCuレベル生じるのかということを、最新の計算手法である分子動力学計算と第一原理電子状態計算を用いて検討した。その結果、Cuは深いアクセプタレベルと共に浅いアクセプタレベルも形成することがわかった。
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