研究課題/領域番号 |
15360182
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
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研究分担者 |
佐藤 信之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10178759)
嶋脇 秀隆 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (80241587)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00022137)
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キーワード | 電界放射微小電子源 / スミスパーセル効果 / 可視光 / 近赤外光 / 電子ビーム / 回折格子 / エミッタ |
研究概要 |
1.電界放射微小電子源からの電子ビームの軌道解析を行い、電子ビーム収束が可能な微小電子源のサンプルホルダーを設計製作した。 2.回折格子上で静電偏向が可能なスミスパーセル検出用の真空チャンバーを設計製作した。 3.電子ビームの加速電圧と光の取り出し角度の数値計算を行い、可視から近赤外のスミスパーセル放射光発生用、回折格子を設計製作した。 4.ナノマシーンニング技術を用いて、n型Siの1チップの電界放射微小電子源を製作した。 5.これらの装置とデバイスを用い、1チップの電界放射微小電子源を真空チャンバーからの直流状の電子ビーム(電流量200nA、加速電圧25〜30kV)を回折格子(1800本/mm)上を通すことにより、次数n=2から4に相当する可視(400nm)から近赤外(900nm)領域のスミスパーセル放射光の放射と検出に成功した。また、電流量100nA、加速電圧26〜28kVで2400本/mmの回折格子上を通すことにより、n=1に相当する1300nmから1350nm領域の近赤外光のスミスパーセル放射光の検出にも成功した。1チップのSi電界放射微小電子源からの電子ビームで、電流量100nAから200nA、加速電圧25〜30kVという低電流、低電圧(低エネルギー)領域でスミスパーセル放射光を観測したのは世界初である。また、現在測定装置の関係上検出できていないが、1800本/mmの回折格子を用いた場合、n=1の電磁波が1.8μm付近に放射されていることも確実である。
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