複数の三次元ピクセルモジュールの機械的接続を実現し、画像データ圧縮によるデータ通信量の削減により複数のモジュールをギガビットイーサーにより一台のデータ送信用コンピューターで制御可能にして電気的な接続も実現した。また、将来の大画面三次元ディスプレイの実現について検討した。 (1)新規三次元ピクセルモジュール間の試作と機械的接続の実現 前年度の動作確認モジュールによる実証実験の結果を受けて、指向性画像間のクロストークを低減し、縦横に隙間なく機械的に接続できる三次元ピクセルモジュールを新たに設計した。そのために、RGBストライプ構造を有する液晶パネルを光源アレイとして用いた。ひとつのモジュールを8×8の三次元ピクセルで構成した。また、実際に2×2個のモジュールを作製し、機械的に接続可能であることを確認した。 (2)データ通信量の削減 指向性画像は、三次元物体の表示方向を非常に小さい角度ピッチでサンプリングした画像であるため、指向性画像間の類似度が非常に高い。そこで、指向性画像間の違いのみを伝送する画像技術を開発した。具体的には、JPEG/MPEGをベースにして、DCTと画像差分を用いて、情報量の削減を実現した。 (3)三次元動画表示実験 2×2個のピクセルモジュールで構成される小規模な三次元スクリーンに対して、ギガビットイーサーを通して一台のデータ送信用コンピューターから三次元動画を伝送することを実現した。また、データ圧縮率と、一台の動画送信用コンピューターで制御できる三次元ピクセル数の関係を明らかにした。 (4)大画面三次元ディスプレイの検討 以上の結果をもとに、競技場用と街頭用の2種類の大画面三次元ディスプレイの設計を行った。必要な三次元ピクセルモジュール数、モジュール制御回路、データ送信用コンピューター数、ネットワーク構成などについて検討を行った。
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