研究課題/領域番号 |
15360205
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岡田 実 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (10252587)
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研究分担者 |
齋藤 将人 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (30335476)
知念 賢一 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (20304157)
山本 平一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (40243357)
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キーワード | OFDM / 空間ダイバーシチ / マルチパス / 携帯受信 / 放射結合 / リアクタンスドメイン信号処理 / フェージング / 地上デジタルテレビ放送 |
研究概要 |
地上波デジタルテレビ放送や無線LAN(Local Area Network)の伝送方式として用いられているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)は、マルチパスフェージングによる受信電界強度レベルの低下に起因する伝送特性の劣化を補償する機能はない。したがって、空間ダイバーシチ適用する必要がある。しかし、OFDMでは、従来、検波後、サブチャネル毎に合成を行う必要があることから、複数のOFDM復調部が必要となり、受信機ハードウェア規模が大きくなるという問題点があった。 そこで、本研究では、OFDMのダイバーシチ合成法として、隣接して並べたアンテナを可変リアクタンスで終端し、可変リアクタンスを制御することによりダイバーシチ受信を行う、空間合成ダイバーシチの提案を行っている。この方式では、OFDM復調部は1系統で十分であり、受信機の簡略化が可能となる。 本年度は、リアクタンスドメイン信号処理部の設計を行うため、アンテナシミュレータを用いてアレーアンテナの各素子間電磁結合を定量的に評価した。そして、λ/4波長モノポールアンテナを利用する場合、アンテナ間隔としては、0.1波長程度が最適であること、さらに、リアクタンス値としては、±35Ω程度が最適であることを明らかにした。次に、リアクタンス値の最適値への収束時間が長くかかる問題を解決するために、2つのリアクタンス値を切り替えるアルゴリズムを提案し、有効であることを明らかにした。 この結果を元に、ダイバーシチ受信機を設計して、基本的な測定を行った。平成15年12月より地上デジタルテレビ放送が開始されている。ISDB-Tアナライザを用いてこの放送波を受信し、基本的な測定を行った。その結果、特性改善効果が認められることを明らかにした。
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