研究課題/領域番号 |
15360220
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20150493)
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研究分担者 |
能崎 幸雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (30304760)
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
吉永 耕二 九州工業大学, 工学部, 教授 (00040436)
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キーワード | SQUID磁気センサ / 高温超伝導 / 磁気ナノ粒子 / 磁気緩和 / 磁気マーカー / 免疫検査 / 抗原-抗体反応 |
研究概要 |
抗原-抗体の結合反応を利用した免疫検査は病気の診断やタンパク質の検出に用いられる基本的なバイオ計測法である。近年、微量な反応を高感度に検出する要求が非常に高まっている。このため、本研究では、磁気マーカーとSQUID磁気センサを用いた磁気的な高感度免疫検査システムを開発している。本システムでは反応検出を磁気マーカーからの磁気信号を用いて行うため、システムの高感度化のためには大きな磁気信号を持つ磁気マーカーが必要となる。このため磁気ナノ粒子の磁気特性を調べ、直径が25nmのFe304粒子を用いれば残留磁気を保持でき、大きな磁気信号が得られることを明らかにした。この磁気マーカーを高分子で包み、その表面に抗体を結合させた新規磁気マーカーを作製した。なお、市販の磁気マーカーは直径が10nm程度のFe304粒子を用いており、この場合には本研究で開発したものに比べて磁気信号は非常に弱い。 次に、磁気マーカーからの磁気信号を高感度に検出するためのSQUIDセンサの最適化を行った。磁気マーカーからの信号磁界は空間的に大きく変化するため、この磁気信号を効率良く検出する必要がある。従来のSQUIDセンサは空間的に一様な磁界を測定するために最適化されており、本研究には使えない。このため、磁界が空間的に変化する場合のSQUIDの設計法を新規に開発し、この設計法を用いてSQUIDセンサの最適化を行った。 最後に、開発した磁気マーカーとSQUIDセンサを用いて抗原-抗体の結合反応の検出を行った。測定試料としてはInterleukin(IL8)を用いた。IL8の量と磁気信号は良い相関を示し、現状では0.1pgまでのIL8の検出が可能となった。今後、システムと測定手法の改善により、更なる高感度化を目指す予定である。
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