研究分担者 |
福田 修 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (20357891)
田中 良幸 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40336920)
金子 真 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70224607)
笠井 達哉 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60112702)
大塚 彰 広島県立保健福祉大学, 理学療法科, 教授 (50280194)
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研究概要 |
平成15年度は筋インピーダンスモデルに基づいた新しいトレーニングを実現するために必要となる基盤技術の確立と新たなヴァーチャルスポーツシステムの構築を行った.そして,プレイ中に変化する人間の手先インピーダンスを実験的に計測・解析を試みた.主要な結果は以下の通りである. 1.ヴァーチャルスポーツシステムの開発 対象物のダイナミクスに依存した人間の手先インピーダンスの変化をモデル化するためには,まず人間の手先にインピーダンスを計測するための外乱を与え,その外乱に対する手先の応答を厳密かつ高速に計測する必要がある。そこで,(1)ロボット制御技術と生体信号計測技術,およびコンピュータグラフィックスを有機的に結合させ,新たにヴァーチャルスポーツシステムを構築した.このシステムは,1自由度ダイレクトドライブ型リニアモータ(日本精工(株))を2台直交に配置し,可動部には訓練者が操作するハンドルと運動中に発揮される手先力を計測するための6軸力・トルクセンサ(総合計装(株))が取り付けられている.また,DSP(リンクス(株))を搭載したサーボコントローラを用いてリニアモータを高サンプリング周期で制御することにより,優れた制御特性と高精度のインピーダンス計測を実現している.そして,(2)対象スポーツとしてエアーホッケーとカーリングを組み込み,(3)さまざまな環境ダイナミクスを精度良く提示できることを確認した. 2.環境ダイナミクスに対する筋インピーダンスへの影響 次に,仮想スポーツにおけるパックの質量やホッケー台表面の摩擦係数などの環境ダイナミクスを変化させて,プレイ中の人間の手先インピーダンスを計測した.そして,筋骨格系の解剖学的知見と運動学的知見を交えて,(1)被験者の作業に対する熟練度に応じてインピーダンスが異なること,(2)環境ダイナミクスの変化に対して人間が自らの筋骨格系の特性を適応的に調節していることを確認した.
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