研究概要 |
本年度の研究の目的は,超高精度構造同定ロボット試作の要素技術の完成である.要素技術は次の4要素から構成されている.構造損傷を橋梁の振動情報から得ようとする場合,その心臓部になるものが,(1)超高精度構造同定アルゴリズムである.次に,同定アルゴリズムを組み入れた,検出器から損傷判定まで処理をする(2)システムの構成である.最後に,これらのシステムを駆動させる(3)マイクロコンピュータの試作,及び(4)現場計測実用化実験の実施,(5)遠隔モニタリングシステムの構築である. (1)[超高精度構造同定アルゴリズム]:2段階構造同定理論を開発し,数値シミュレーション,現地実験によりその有効性を確認した.前半部分はすでに論文として公表し,後半部分の論文は完成し,近日中に投稿予定である.基本的に研究は完了した. (2)[超高精度構造同定システム]:基本的な検出器,データ処理,コンピュータ部分については,試作的な開発は完了した.現場実測により有効性を確認した.この研究成果も近日中に論文投稿を予定している. (3)[組み込みOSのマイクロコンピュータの試作]:上記のアルゴリズムとシステムを,超小型マイクロコンピュータに移植して,低電力用の維持管理ロボットの骨格を構成する計画である.マイクロコンピュータの試作は終わり,その実用的試験を行っている. (4)[現場計測実用化実験の実施]:これらの要素技術の有効性をコンピュータシミュレーションで確認すると共に,現場計測を実施した. (5)[遠隔モニタリングシステムの構築]:維持管理計測ロボットは遠隔地で自動計測を行うものである.携帯電話技術を使ったこれまでの研究を集大成して,基本的な技術開発は終了した.研究成果は,近日中に論文公表を計画している.
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