研究概要 |
本年度は,沈降堆積・自重圧密試験およびそれに引き続く定ひずみ速度載荷試験の両過程においてRI密度検層を実施し,測定された密度の精度について検討するとともに,沈降堆積・自重圧密過程の挙動について考察した.さらに,沈降堆積・自重圧密試験に引き続き清澄水を排出した後,ベンダーエレメント(BE)を装着した載荷板を設置し,BE試験を実施した.試験結果に基づいて圧密の進行に伴うせん断弾性係数(G_O)の増加特性について検討した.得られた主な知見は,以下のとおりである. 1.RIセンサーを用いた密度検層によって算定されるlog f〜log σ_V'関係(f(=1+e):体積比,σ_V':鉛直有効応力)は,w/w_L<1.2〜1.9(w:含水比,w_L:液性限界)において直線で近似することができる.さらに,この直線関係は段階載荷による圧密試験(JIS A 1217)から得られるlog f〜log σ_V'関係とほぼ等しい.したがって,w_Lの1〜2倍程度の含水比の超軟弱な浚渫埋立地盤において,RI密度検層と地盤内の間隙水圧の測定を実施するだけで,その後の自重圧密過程から載荷圧密過程までのlog f〜logσ_V'関係を原位置において求められる可能性を示唆した. 2.BE試験を実施することにより,w_Lの2倍程度以下の含水比のスラリー粘土に対して,G_Oを測定することができることを示した.また,段階載荷圧密試験および沈降堆積試験より得られたlog(w/w_L)〜logp関係は,1本の直線で近似することができ,log(w/w_L)〜logG関係も同様の範囲において傾きの異なる直線で近似することができることも示した.高含水比のスラリー粘土に対するBE試験の計測システムが確立された.
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