研究分担者 |
木村 一郎 松江高専, 土木工学科, 助教授 (60225026)
牛島 省 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70324655)
細田 尚 京都大学, 工学研究科, 教授 (10165558)
山上 路生 京都大学, 工学研究科, 助手 (80362458)
森 信人 (財)電力中央研究所, 流体科学部, 主査研究員 (90371476)
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研究概要 |
本研究では,気体と液体の界面現象を把握し,現象解明と予測評価を行うための数値解析手法を開発することを一つの目的としている.この検討では,気液界面に生ずる微細な波動現象や運動量輸送を再現するため,気液二流体に対する新しい数学モデルを導き,これを高次精度の解法とアルゴリズムを用いて,従来より膨大な数の3次元計算格子上で数値解を求める.この数値演算を高速に行うことが数値解法の開発のキーポイントとなることから,平成15年度は,その計算機環境(並列演算システム)を整備するとともに,システムの基本特性の検証を行った. 並列演算システムは,16台のPCをギガビットネットワークで結合したPCクラスタであり,分散メモリシステムを構成する.本年度はこのPCクラスタのハードウエアの組立を行い,OSと並列計算ライブラリを提供するLAMのイントールなどのソフトウエア環境の整備を行った.この並列演算システムの基本特性に関する検証を非圧縮性流体計算法を用いて行った.その結果,以下のような成果を得た. 1.領域分割に基づく並列演算を行い,非圧縮性流体計算を行った結果,ノード数の増加とともに計算速度が短縮化されるという,スピードアップの向上が確認された. 2.領域を多次元領域分割することにより,スピードアップがさらに増加する特性が確認された. 3.非構造格子を用いる場合の非圧縮性流体計算を同様に行い,スピードアップに関する同様の結果を得た. 以上のように,本年度作成された並列演算システムは気液界面現象の高速演算を行うための基本的な条件を概ね満足していることが確認できた.来年度以降は,現有の2次元気液二流体計算法を3次元化するとともに,これを高次精度の保存系スキームで解析する手法を構築し,本年度作成した並列演算システム上で動作させるための検討を進める.
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