研究課題/領域番号 |
15360270
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50216933)
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研究分担者 |
高野 保英 近畿大学, 理工学部, 助手 (80330231)
江藤 剛治 近畿大学, 理工学部, 教授 (20088412)
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キーワード | 気泡の破裂 / 水滴の衝突 / 水表面の物質輸送 / 画像トリガー |
研究概要 |
海洋表面で生じる気泡混入-水滴生成連鎖現象によって生じる大気-海洋間の物質輸送機構の解明を目的としている。これらの過程を研究代表者らによって開発された100万枚/秒の超高速ビデオカメラを使って詳細に観察した。 本年度は、海外共同研究者のS.T.Thoroddsenシンガポール大学準教授を、7月に近畿大学に招聘し、23日間共同実験を行った。これまで知られていなかった新たな重要な現象が発見された。結果の例を説明する。 [水滴の水面衝突に伴う気泡ネックレスの生成] まず衝突面に、多数の小さな気泡が円形に連なったものが生成する。これを気泡ネックレス(Necklace Bubbles)と呼ぶことにした。気泡ネックレスの直径は急速に小さくなるが、その過程で個々の気泡は合体し、より大きな気泡となる。最後には中心の大きな1個の気泡になり、それがさらに上下2個の気泡に分裂し、水中に下りて行く。条件によっては、気泡ネックレスが発達する前に壊れてそのまま水中に下りる場合などもある。これまで、水滴の水面衝突による気泡の連行現象については様々の現象が個別に観察されていたが、それらのプロセスが超高速ビデオ撮影によってかなりの程度、統一的に説明できるようになった。この研究は、Journal of Fluid Mechanicsに掲載された。 このような高速撮影による流れの可視化のための基礎技術の開発も行った。結果の例として、超高速ビデオカメラのビデオトリガーの開発について説明する。超高速撮影では現象生起と撮影のタイミングを合わせることが難しくなる。もし、撮影中の映像内に異変が起きたことをビデオカメラ自身が検出し、撮影タイミングを示すトリガーを自動的に発生することができるようにすると非常に有効な技術となる。そのための基礎理論を構築するとともに、実際に撮影された映像を用いたシミュレーションによりその実用性を検証した。
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