研究概要 |
本研究では,移動体通信のひとつであるPHSの位置特定機能を利用した行動調査に関して,交通計画の目的や空間スケールに合わせて,適切な精度と量のデータを収集・加工するためのプロセスと方法論に関する研究を行うことを目的としている.特に,行動特定アルゴリズムを改良して調査精度を向上させ,都市域での交通行動調査に適用する際に必要となるツールを開発することを目的としている.本年度は以下の研究を行った (1)移動体端末を用いた行動調査の既存手法の調査 すでに存在する移動体端末を用いた行動調査の手法について事前調査を行い,本研究における手法開発の際の参考となる知見の調査を行った. (2)移動体端末を用いた行動調査における,既存手法の改良のための技術的課題の発見 移動体端末による既存手法について評価を行い,同じ実験装置と同様の手間の実験手順でより高い測定精度が達成できるような手法を開発した. (3)移動体端末を用いた行動調査の実施 移動体端末を用いて,神戸市北野地区において観光客の行動調査を行った.この際,移動体端末だけでなくその他の手法(調査員による人力での調査を含む)による行動調査も同時に行っている.これにより,移動体端末による調査が実際の行動調査フィールドで有効に活用できるかの確認が可能になっている. (4)開発した手法の計算機シミュレーション上における評価 計算機上で位置特定機能システムを模倣し,(3)で示した実験の結果と比較するためのシミュレーションの作成を行った.
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