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2003 年度 実績報告書

遺伝子および化学マーカーによる河川糞便性汚染源の特定

研究課題

研究課題/領域番号 15360283
研究機関北海道大学

研究代表者

岡部 聡  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10253816)

研究分担者 木村 克輝  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10292054)
キーワード糞便性汚染 / Bacteroides / DNAマーカー / 定量PCR法 / 指標微生物 / t-RFLP法
研究概要

本研究では糞便性指標微生物の遺伝子マーカーと化学マーカーを組み合わせた迅速(1-2日程度)かつ簡便な、糞便性汚染源の特定と汚染度の定量的評価手法の開発を行う。腸内蛋白質分解細菌の最優占種であるBacteroidesに着目し、培養を必要としない分子生物学手法(16S rDNAクローンライブラリー法やTerminal Restriction Fragment Length Polymorphism : T-RFLP法)を用い、宿主特有のBacteroidesの16S rRNA遺伝子配列(遺伝子マーカー)を特定・探索することにより、水環境中の糞便汚染源(人間、牛、豚等)を特定する。
本年度は、必要とする要素技術(16SrDNAクローンライブラリー(データベース))の構築、T-RFLP法および定量PCR用のBacteroides属に特異的なプライマーの設計を行った。最初に、異なる哺乳類(人間、牛、豚、鶏等)から採取した糞便より全DNAを抽出し、Bacteroides属に特異的なプライマーを用いて16S rDNAの部分配列をPCR増幅後、大腸菌を用いてクローニングを行い、ランダムに200個以上のクローンの塩基配列を決定し系統解析を行った。その結果、宿主動物(人間、牛、豚)毎に特異的なBacteroides種が存在することを確認した。このことは、これら特異的なBacteroides属を指標微生物とすることにより、糞便汚染源の特定が可能であることを示唆している。次に、これら指標微生物の迅速かつ簡便な検出方法として、16SrDNAの5'末端を蛍光標識した同様のプライマーによりPCR増幅した後、DNA断片を制限酵素で切断し、5'末端からの塩基長をDNAシーケンサーで測定するT-RFLP法を確立した。この結果、宿主動物毎に特異的なDNA断片長を有するクローンが存在することが確認された。したがって、これらのDNA断片は宿主動物毎の遺伝子マーカーとなることが確認できた。T-RFLP法による解析は1日で終了し、かつ培養法によるバイアスを排除できるため、より正確に複合微生物系内に存在する各種糞便性大腸菌および病原細菌の特定、モニタリングが可能となると思われる。また、検出限界は極めて低く、高感度かつ特異的な糞便性大腸菌汚染の指標となることが明らかとなった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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