研究課題/領域番号 |
15360285
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
木曽 祥秋 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20144206)
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研究分担者 |
山田 俊郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (30335103)
高木 博夫 国立環境研究所, 環境研究基盤技術ラボラトリー・環境分析化学研究室, 主任研究員 (50216628)
西村 和之 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (00261595)
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キーワード | ナノろ過膜 / 有害有機汚染物質 / 分子形状 / 分子幅 / 膜細孔径 / 吸着特性 / log P / インバースHPLC |
研究概要 |
(1)膜に対する溶質の吸着特性 NF膜及びその支持膜として用いられているポリスルホン膜を用いて回分式吸着実験により、アルキルフェノール類の吸着特性の検討を行った結果、溶質の疎水性が吸着を支配する第1因子であることを明らかにした。また、芳香族系農薬の場合、置換基の分岐構造が吸着に立体障害となることが示された。しかしながら、この方法では支持膜の影響が不可避であるため、スキン層高分子と類似したポリアミドを固定相としたInverse LCの手法液体クロマトグラフ(HPLC)による評価農家脳性を検討した。分級したポリアミド粒子を充填したカラムを用いてクロマトグラムが測定できる条件を見出し、疎水性溶質の吸着現象を確認した。一方、糖類など親水性化合物は固定相に保持されず、膜高分子に近接できることが示された。 (2)NF膜における分子篩作用の評価 親水性溶質の阻止特性について、分子篩いモデルに溶質分子の形状パラメータ(分子長、分子幅)を導入した溶質透過モデルの基本構造を構築した。本モデルにおいて、分子篩い作用は膜細孔と溶質分子の長軸とがなす角によって支配されるものとし、膜内部での溶質移動は拡散とカップリングフローの両者によるものとした。膜細孔径の計算結果は。溶質分子を球形近似した場合に比べて、大きく評価されたが、阻止率の実験値と計算値が広い範囲において対応性が極めて高いことを示した。 (3)繊維状吸着材による芳香族化合物の抽出特性 微量有害有機汚染物質の分析の簡易化を目的とし、PBO繊維を固相抽出剤とする方法を開発し、フタル酸エステルやアルキルフェノールの抽出方法として有用であることを明らかにした。
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