研究概要 |
本年度は、これまで開発してきたモデルを中心に、(1)土地利用・被覆形態のモデルと連携し、さらには、(2)世界多地域多部門の一般均衡モデルと連結させることにより、社会・経済システム全体の活動と環境資源サービスの関わりを記述した。 (1)に関しては、植生層を2つに、土壌層を6つに分割することでPFT間の日光と土壌水分の競合を詳細に表現している動的植生モデルIBISを用いて、潜在的植生変化の動向を再現し、その出力を他のDGVMsの出力や衛星観測データから推測される植生分布と比較検討した。 (2)に関しては、人間活動内、人間活動と自然環境間における炭素、窒素、リンのフローを記述する全世界炭素・窒素・リン物質勘定表を開発した。その勘定体系に従い、1971年から2002年における全世界を対象として、この部分に関連しては、GTAP (Global Trade, Assistance, and Production)データベースをもとに、穀物、エネルギー作物、林産物の生産、消費、貿易などを考慮した、炭素、窒素リンのフローを推計した。
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