研究課題/領域番号 |
15360298
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 康裕 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70324704)
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研究分担者 |
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 教授 (50027281)
田村 修次 京都大学, 防災研究所, 助教授 (40313837)
中井 正一 千葉大学, 工学部・都市環境システム学科, 教授 (90292664)
宮本 祐司 鹿島建設, 小堀研究室, 主幹研究員
田村 和夫 清水建設(株), 技術研究所, 構造研究部長
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キーワード | 木造建物 / 滑動 / 振動台実験 / 相互作用 / 強震観測記録 / 地震応答解析 / 地震被害 / 動的載荷実験 |
研究概要 |
内陸直下地震における震源域の様に、高レベル地震動が作用した場合の建築物の地震時挙動を解明して耐震設計に反映するためには、建築物・地盤間の強非線形相互作用効果を適切に考慮する事が不可欠である。本研究では、杭基礎を対象として、通常の耐震設計の想定を超えた過大な変形領域も含めて杭・地盤間の地震力伝達機構を解明することを目的として、模型による大振幅水平載荷実験を実施した。実験では、固定土槽中に豊浦標準砂を充填し、杭配置をパラメータとして基礎の静的載荷を行っている。その結果、まず、漸増振幅の繰返し載荷により、杭周囲の地盤は杭変位の大きさよりもかなり大きなすり鉢状の地盤変状が観察され、その形成過程が杭配置の影響を受ける事が明らかとなった。しかし、このような変状が確認できる一方で、杭頭せん断力-水平変位関係の復元力特性は、杭径程度の大振幅に至るまで安定した紡錘形を示しているが、さらに振幅が大きくなると、杭-地盤間の滑りによる杭頭せん断力の頭打ちが見られる。また、載荷方向に並ぶ杭においては載荷方向前方に位置する杭ほど杭頭せん断力は大きい一方で、載荷直交方向に並ぶ杭の杭頭せん断力には差が見られなかった。この結果を踏まえて、群杭効果の振幅依存性について整理を行った。 また、昨年に引き続き、国内外における被害地震で得られた地盤・基礎同時強震観測記録の分析を行う他、京都市地震アレー観測網における地盤・建物同時観測記録に基づき、建築物への入力低減効果および建物振動特性の変化について分析を行った。その結果、木造住宅については、微小変形領域でも固有振動数が著しく低下し、減衰定数が増大する傾向が見られるが、地震後には速やかに回復する傾向が確認された。
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