研究課題
基盤研究(B)
MRダンパーを用いた可変スリップレベルダンパー型の制御を実施しようとすると、微粒子の沈降の影響により、たとえ同じ電流を印加したとしてもスリップレベルが変化してしまう。誘導起電力を測定しながら、この影響を考慮して修正を行うセミアクティブ制御則を提案した。MRダンパーの挙動は、ある振動数を超えると完全弾塑性型のばねへの置き換えるが可能であることを明らかにし、これをもとにCaugheyの等価線形化手法によって等価線形剛性と等価粘性減衰を求め,ダンパー塑性率2を目指すセミアクティブ制御の有効性を理論的に示した。また、非定常地震時にあってもMRダンパーが想定した履歴を描き、効率よいエネルギー吸収が可能となることも明らかにした。マイクロプロセッサー(マイコン)制御基盤を作製し、このマイコンによってオイルダンパーをセミアクティブ制御して、PC制御に比べ遜色ない制御が可能となることを実験的に確認した。自律分散の考え方は、制御のみならず、モニタリングにおいても有効となる。現在のスマート構造は、自ら自身の状態を感知し、自ら挙動する構造物である。建築構造物に適したスマートセンサーを、既存のMICA MOTEをもとに作製した。この作製したスマート無線センサーの使用を前提とした自律分散型の緊急健全度判断のためのヘルスモニタリングネットワークの考え方を示し、そのための簡易な診断法を提示した。
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すべて 雑誌論文 (10件)
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